米の石油輸出、2020年までに世界上位10カ国入りか
ロンドン(CNNMoney) シェールオイルの増産が進む米国は2020年までに石油輸出国として上位10カ国にランクインする可能性がある――。PIRAエナジー・グループがこのほど、そんな試算を明らかにした。
PIRAによれば、米国の原油輸出は2020年までに日量225万バレルと、2016年から4倍の水準に増加する見込み。
これにより、米国はアラブ首長国連邦(UAE)やクウェートといった大手石油輸出国と肩を並べることになりそうだ。
アナリストのジェンナ・ディレーニー氏は、今後数年で米国が世界の原油輸出国の上位10カ国に入る可能性があると指摘する。
石油輸出国機構(OPEC)の2016年の輸出量は平均で日量2500万バレルだった。
数年前まで、米国が輸出大国に名を連ねることになるとは考えられていなかった。
OPECは1973年に米国に対して石油の禁輸を実施。米国はこれを受けて1975年に石油の輸出を禁止したが、この措置は2015年に解除されていた。
ディレーニー氏によれば、輸出の伸びはシェールオイルの生産増加によるところが大きい。米石油業界は2014年の原油価格の急落によって打撃を受けた。生産は落ち込み、大手は投資の縮小を余儀なくされた。
しかし、このことで、石油会社はより効率的な運営が求められるようになり、体質の強化につながった。