自動化で転職、30年までに3億7500万人に影響か
ワシントン(CNNMoney) 世界中の職場で今後、業務の自動化が進んだ結果、2030年までには3億7500万人の労働者が転職を余儀なくされる――。そんな研究結果が29日までに発表された。
米シンクタンク、マッキンゼー・グローバル・インスティテュート(MGI)が出した報告書によると、自動化される可能性が最も高いのは予測可能な環境で体を使う仕事。具体的には機械操作やファストフードの調理が挙げられる。
データを収集、処理する仕事も同様で、ローンの貸し付けや法律事務、会計、一般の事務処理といった職種が影響を受ける。
報告書の執筆に参加したMGIの役員はCNNとのインタビューで「人生の初めの20年は学校へ行き、次の40~50年で働くというモデルは崩れた」と指摘。「職業人生を通して学習や訓練を続けることを考える必要がある」と話した。
報告書によると、1900年代初めに労働の場が農場から工場へ移った時期以来の大規模な変化が起きる可能性もある。これに対応するためには、米国が第2次世界大戦後に欧州の復興を支援した「マーシャル・プラン」に相当する規模のプロジェクトを通し、官民両面で新たな研修プログラムなどに多額の投資をする必要があるという。
ただし、80年代にはパソコンの普及で一部の職業が消える一方、多くの新たな職業が生まれたように、今後も新しいスキルを身につけようとする労働者は職を見つけることができるだろうと、報告書は指摘する。
また管理職や人と接する仕事、専門技能が必要な仕事がなくなることはないだろうと予測し、庭師や配管工、保育や介護の仕事を挙げている。今後の労働者は対人スキルを磨いておけば安心といえそうだ。