英経済、フランスに抜かれ世界6位に 「EU離脱」が影響
ロンドン(CNNMoney) 英国のハモンド財務相は26日までに、同国の経済規模が2017年にフランスに抜かれ世界6位に低下したことを認めた。予算案発表に伴う演説で明らかにした。
経済規模を測る方途は多数あるが、同財務相の発言は国際通貨基金(IMF)が先月公表した今年の各国別の国内総生産(GDP)の予測に基づくもの。フランスとの今年の差はわずかだったが、英国は来年さらに引き離されるとも予想された。
IMFによると、フランスが英国を上回ったのは2013年以降で初めて。英国の順位下落は昨年6月の欧州連合(EU)からの離脱決定後、経済成長率が急速に減速したことを反映している。通貨ポンド安が急激に進み、消費者支出が落ち込んで物価は上昇していた。
英国の予算編成担当部局は22日、今年の経済成長率を2%増から1.5%増に下方修正。来年は1.4%増、19、20両年はそれぞれ1.3%増を見込んだ。
世界5位からの転落は、EUから離脱すれば英国経済はより強固になるとの同国政治家らの主張に冷水を浴びせる材料となっている。デービス離脱相は今年9月、英国経済は世界5位と自負していた。
英国経済の規模は、フランスと共に19年にはインドに抜かれるとの予測も出ている。
IMFの今年のGDP予測によると、首位は米国の19兆4000億ドル(約2173兆円)、2位以下は中国が11兆9000億ドル、日本4兆9000億ドル、ドイツ3兆7000億ドル、フランス2兆5750億ドル、英国2兆5650億ドルにインド2兆4000億ドルとなっている。