EU大統領、英国の離脱交渉「不成立」の可能性に言及
(CNN) 欧州連合(EU)のトゥスク大統領は24日、欧州議会での発言で、英国のEU離脱交渉が成立せず、離脱が実現しない可能性に言及した。
トゥスク氏は議会で、先週開催されたEU首脳会合について報告。このなかで、2019年に期限が設定されている英国のEU離脱について「交渉の行方にかかわらず、我々は団結を維持しなければならない」「EUは分断されない限り、どのようなシナリオにも対処できる」と語った。
さらに「交渉が最終的にうまく成立するか不成立となるか、離脱がなくなるかどうかは英国次第」と述べ、「どのシナリオになっても、我々は団結することによってのみ共通の利益を守ることができる」と強調した。
これに対して欧州委員会のユンケル委員長は、EU側に「不成立」のシナリオを望む声はないと主張した。
英国の離脱をめぐる交渉ではこれまで(1)英国が支払う清算金(2)英国に住むEU市民とEU在住の英国市民の権利(3)アイルランドと英領北アイルランドの国境問題――の3点が問題になってきた。EU側は、これら3分野で十分な進展がなければ英国との将来の関係をめぐる議論には移れないとの立場を示し、先週の首脳会合でも同様の主張を展開した。
独紙フランクフルタ―・アルゲマイネは先週、英国のメイ首相と夕食をともにしたユンケル氏が、メイ氏は不安そうで意気消沈した表情だったとの印象を漏らしたと伝えていた。これに対しユンケル氏は、記事の内容を全面的に否定している。