英首相、EU離脱で2年間の「移行期間」を提案
(CNN) メイ英首相は22日、イタリアのフィレンツェで英国の欧州連合(EU)離脱について演説し、2年間の移行期間を設けて離脱の影響を遅らせることを提案した。
英国は移行期間中、EU単一市場へのアクセスを継続するのと引き換えに、年間約100億ユーロ(約1兆3400億円)に上るEU予算負担額を支払うほか、EU法の順守や欧州からの移民の受け入れも継続する方針。
ただメイ氏は移行期間について、「期間を厳しく限定」するべきだと主張。昨年行われたEU離脱を問う国民投票の結果を尊重した、特注の「創造的」な協力関係で早期に置き換えられる必要があるとの認識を示した。
また、英国とEUの指導者は現役世代や将来の世代のため、離脱のプロセスを「円滑かつ賢明に」進めることへの「深い責任感」を共有していると述べた。
EUのバルニエ首席交渉官は、今回の演説の「建設的な精神」を歓迎。「時間が最重要な状況で前に進む意欲を示すものだ」と評価した。ただ、英国が移行期間中に単一市場へのアクセスを保持するためには、EUの現行のすべての規則や監督に従う必要があると警告した。
離脱交渉のこれまでのペースをめぐっては、EUや企業幹部からいら立ちの声が上がっている。第3回交渉が先月終わった際には、英国がEUに支払う必要がある「手切れ金」の額をめぐり見解の相違が露呈。EU側は、英国の懸案である将来の通商関係について議論する前に、この問題を解決しなければならないとしている。