英テイクアウト料理、人材不足が深刻 EU離脱で拍車か
ロンドン(CNNMoney) 英国の持ち帰り料理店業界は13日までに、カレー料理や魚の揚げ物の料理人不足が進み、移民対策の緩和や訓練の進展がなければ小規模店中心に閉店が続出しかねないとの苦情を政府に伝えた。
英国の欧州連合(EU)からの離脱が現状をさらに悪化させかねないとも警告した。英国の持ち帰り料理のうち最大はピザで中国料理やインド料理などが続く。スコットランドではインド料理の人気が最も大きい。
持ち帰り店業界の英団体のアンケート調査によると、関連店舗の3分の1以上の経営者が「フィッシュ・アンド・チップス」などの調理師確保に困っている。経営者の約30%が比較的低賃金とされるこの職種の雇用をEU圏外の人材に頼っているという。
同業界は特に、海外から特別料理の職人を雇いやすくするための措置を要望。インド料理レストランで働くシェフの多くはバングラデシュで技量を磨いたとしている。
屋台を含む持ち帰り料理店の経営者の37%は英国のEU離脱で適宜な料理技術を習得した人材の確保がより困難になると予想してもいた。
同業界によると、抱える雇用人口は23万人を超え、昨年の売上高は99億ポンド。「ジャスト・イート」「ウーバーイーツ」のような食事のオンライン配送企業間では激しい顧客獲得競争が進んでいる。
英国の保守党政権を率いるメイ首相は2019年3月までのEU離脱を想定。英国への難民流入の規制などを重視している。