「英国は早く離脱交渉を」 EU側責任者が警告
ロンドン(CNN) 英国の欧州連合(EU)離脱に向けた交渉について、EU側の責任者は12日、「私ひとりで交渉はできない」と語り、英国側に迅速な行動を強く求めた。
EUのミシェル・バルニエ首席交渉官は、複数の欧州メディアとのインタビューで英国に対し、「時間はだれもが思うより速く過ぎていく。我々が扱うべき議題は技術面からも法律面、経済面からも複雑を極めるからだ」と警告した。
相手がいなければ交渉は始まらないと語り、英国側の「安定した、責任ある、権限を持った交渉団が必要だ」と強調。離脱条件を決める困難でデリケートな議論には数カ月かかるとの見通しを示し、英国に「時間の無駄遣い」をしないよう呼び掛けた。
英国は3月に離脱手続きを定めたEU基本条約(リスボン条約)50条を発動したが、それから3カ月たった今も本格的な交渉は始まっていない。バルニエ氏は「我々は今まで交渉も前進もしていない。交渉を始めなければならない」といらだちを示し、「英国の準備ができ次第、こちらも開始できる」と語った。
英国のメイ首相は離脱交渉に備えた基盤強化を狙って前倒し総選挙に踏み切ったものの、予想外の大敗を喫したばかり。半数割れとなった与党・保守党は当面、北アイルランドの民主統一党(DUP)との連携を成立させ、19日に予定される施政方針演説の議会通過を目指している状況だ。