ロンドンでEU離脱反対の大規模デモ、交渉開始を控え
ロンドン(CNN) 英国が欧州連合(EU)からの離脱交渉を正式に開始する手続きを4日後に控えた25日、ロンドン中心部で離脱反対を訴える市民らが大規模な抗議デモを展開した。
この日はEUの前身、欧州経済共同体(EEC)の設立を定めたローマ条約の調印からちょうど60周年の記念日だった。
参加者らは青地に金色の星をあしらったEU旗を掲げてロンドン中心部を行進し、議事堂前の広場へ向かった。ここは22日にテロ事件の現場となった場所だ。デモ隊は事件の犠牲者に1分間の黙とうをささげた。
ロンドン警視庁はデモに先立ち、ツイッターを通して警備要員の増派を発表していた。
集会ではニック・クレッグ前副首相や、ブレア元首相の報道官を務めたアラスター・キャンベル氏が演説に立った。
キャンベル氏は「離脱急進派の脅しに屈してはいけない」「メイ首相が先を急ぐのは、国民は時間があればあるほど、離脱の行く末を思い知ることになるからだ」と訴えた。
英国では昨年の国民投票で離脱派が半数を上回ったことを受け、29日にはメイ首相がEUの基本条約「リスボン条約」の50条に基づいて正式に離脱交渉を開始する予定だ。
これに対して反対派は、離脱に伴う影響を十分に理解したうえで国民投票をやり直すべきだなどと主張してきた。
デモ参加者の1人は、英国のEU離脱やトランプ米政権の動きが世界のあらゆる場所に壁を作っていると懸念を示し、「世界中が団結して前へ進むことを願っている」と語った。