ルーマニア元独裁者の旅客機競売へ、333万円から
(CNN) 東欧ルーマニアでかつて長期独裁体制を敷いていた故チャウシェスク大統領の専用旅客機が今月27日に競売に付されることになった。応札価格は2万5000ユーロ(約333万円)から始まる。
競売商「Artmark」が発表した。同機は119座席の「Rombac1―11」型機。英国の航空機企業、旧ブリティッシュ・エアクラフト・コーポレーション(BAC)とのライセンス契約に基づき1980年代にルーマニアで生産された9機のうちの1機。
BAC1―11型機を下敷きにした旅客機で、ルーマニアで最初に製造された商業用旅客機だった。
同競売商は声明で、Rombac1―11は極めて希少な旅客機となりルーマニアの技術開発の歴史を体現しているため国家的な文化遺産の財産として位置付けられていると指摘。このため競売での落札者は機体を国外へ運べず、国内で保管することが求められる。
今回の入札への出品は、旧国営企業「ロマビア」の清算作業の一環ともなっている。
チャウシェスク元大統領は1965年から89年までルーマニアを統治。89年に起きた反共産主義の国民蜂起で政権が打倒されていた。42年間続いた共産党の統治にも終止符が打たれていた。元大統領夫妻は死刑を宣告され、同年12月に執行されていた。
コックピットの様子/Courtesy Artmark
入札にはチャウシェスク元大統領の後継者となったイリエスク元大統領が使った別のRombac1―11機も同じく出品される。最初の応札価格は同じ2万5000ユーロ。
イリエスク元大統領もチャウシェスク政権打倒における人道に対する罪で訴追されていた。