富裕層でなくても宇宙競争でもうける、「宇宙ETF」とは?
UFOの主要保有銘柄としては、ナビゲーションや全地球測位システム(GPS)の分野をリードするガーミン、モバイルマッピング(移動体計測)を手掛けるトリンブル、通信企業のイリジウム、衛星メーカーのマクサー、衛星メディアのDISHやシリウスXMなどが挙げられる。
チャニン氏は、宇宙ビジネスの収入機会は45年までに2兆7000億ドル規模に達する可能性があるとした米金融大手バンク・オブ・アメリカの試算に言及。こうした売り上げの半分はブロードバンド通信から発生する可能性があると指摘した。
宇宙株ファンドはUFO ETFのみにあらず
「衛星産業は宇宙経済の中で最も誤解を受けている分野のひとつだ」と、チャニン氏は指摘する。衛星通信は現在、宇宙産業の世界売上高4250億ドル近くの約3分の1を占めているという。
「宇宙に目を向けながら通信を除外するのでは、本当の意味で宇宙経済を表しているとは言えない」(チャニン氏)
プロキュアの宇宙ETFには幾つかの競合相手が存在する。「SPDR S&P ケンショー・ファイナル・フロンティアズETF」は年初来や過去1年のパフォーマンスはUFOに劣るものの、やはりヴァージン・ギャラクティック株を保有している。
ただ、ファイナル・フロンティアズETFの投資先は航空宇宙や防衛企業への偏りが大きい。組み入れ上位銘柄にはL3ハリス・テクノロジーズやハニーウェル、ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマンなど、売り上げの大部分を国防総省から得る企業が複数含まれている。
キャシー・ウッド氏率いる資産運用会社アーク・インベストメントも今年、「アーク・スペース・エクスプロレーション&イノベーションETF」を立ち上げた。ただ、このファンドはヴァージン・ギャラクティック株は保有していない。
組み入れ上位銘柄はトリンブルやイリジウムやL3ハリスやロッキードなどで、UFOとファイナル・フロンティアズを混ぜたような形となっている。