瀬戸際に立つ中国の企業帝国、恒大集団について知るべき5つのこと

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中国の巨大複合企業「恒大集団」の問題がメディアで大きく報じられている/JADE GAO/AFP/Getty Images

中国の巨大複合企業「恒大集団」の問題がメディアで大きく報じられている/JADE GAO/AFP/Getty Images

香港(CNN Business) 中国の巨大複合企業「恒大集団」が資金の行き詰まりによる債務不履行(デフォルト)の可能性について改めて警告したことを受け、同社の問題がメディアで大きく報じられている。

専門家は、同社の苦境は中国政府にとって大きな試練になると指摘。この問題が「中国版リーマン・ショック」に発展して、世界第2位の経済大国に衝撃が広がるリスクを指摘している。

恒大集団にとっては今週が正念場になりそうだ。米ブルームバーグ通信によると、20日は一部の銀行融資の利払い予定日だった。同通信は、中国当局が主要行に対して支払いは受けられないと伝えたと報じた。

恒大集団はこうした支払いについて現時点でCNN Businessの取材に応じていない。

金融情報会社リフィニティブによると、今週後半には、同社の2つの社債に関する計1億ドル超(約110億円)の利払いが控えている。

以下に恒大集団について知っておくべき情報や、現在の状況に至る経緯をまとめた。

恒大集団とはどんな企業か?

恒大集団は中国最大級の不動産開発会社の一つ。米誌フォーチュンが選ぶ世界企業番付「グローバル500」に名を連ねており、売り上げベースで世界最大の企業の一つとなっている。

香港に上場し中国南部・深センに本社を置く同社は、約20万人の従業員を抱える。これ以外にも、年間380万人以上の雇用の維持に貢献している。

同集団を設立した中国人富豪、許家印氏は一時、中国で最も裕福な人物となっていた。

恒大集団は住宅用不動産の開発で名を上げた企業で、中国各地の「280以上の都市で1300以上のプロジェクトがある」と主張する。ただ、その事業は不動産をはるかに超える分野に広がっている。

住宅以外では、電気自動車やスポーツ、テーマパークに投資。飲食事業まで手がけ、ボトル入りの水や日用品、乳製品などの事業を中国各地で展開している。

2010年には、「広州恒大」の名称で知られるサッカーチームを買収した。同チームはその後、世界最大とみられているサッカースクールを創設したが、これには恒大集団が1億8500万ドル(約200億円)を負担した。

恒大集団はテーマパーク部門の「恒大童世界」を通じて観光客相手のサービスも手がけている。中でも有名なのは、海南島で進む巨大プロジェクト「海花島」だ。熱帯地域にかかる海南島は「中国のハワイ」と呼ばれることが多い。

同社が問題を抱えた経緯

恒大集団は多様な取り組みの資金を借り入れで調達しており、近年は債務が膨れ上がっていた。

同集団は中国で最も債務を抱えた不動産開発業者として有名で、負債総額は米ドル換算で3000億ドル(約33兆円)を超える。この数週間、同社は早急に資金調達できなければ債務不履行に陥る可能性があるとして、投資家に資金繰りの問題を警告してきた。

先週には証券取引所への提出書類で、一部資産の買い手を見つけるのに苦労していると明かし、こうした警告が強調される結果となった。

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