米消費者物価、5月は前年比4%上昇 21年3月以来の低い伸び

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米ニューヨークのソーホーで両手に買い物袋を持って歩く人/Angus Mordant/Bloomberg/Getty Images/FILE

米ニューヨークのソーホーで両手に買い物袋を持って歩く人/Angus Mordant/Bloomberg/Getty Images/FILE

ミネアポリス(CNN) 米労働省労働統計局が発表したデータによると、5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が4%となり、2021年3月以降で最も伸び率が鈍化した。

金融情報会社リフィニティブによると、4月の4.9%増から大きく減速し、エコノミスト予想の4.1%増をわずかに下回った。前月比での上昇率は0.1%。エコノミスト予想では前月比の上昇率は0.2%だった。

インフレ率が鈍化するのは11カ月連続で、過去2年続いた根強い高インフレの痛みは和らいだ。昨年同時期のCPIは8.6%増と、今回の2倍以上だった。

英調査会社オックスフォード・エコノミクスの米国担当主任エコノミスト、ナンシー・バンデンフーテン氏はCNNのインタビューで、「また一歩正しい方向に踏み出した」と指摘した。

エネルギー価格の下落と食品価格上昇の鈍化で総合CPIが押し下げられたほか、異なる基準点を使って指数を算出する「ベース効果」の影響も出た。1年前のインフレ率は41年ぶりの高水準にあり、昨年6月のピーク時には9.1%に達していた。

今回の4%は9.1%からは大幅に下がっているものの、米連邦準備制度理事会(FRB)のインフレ目標と比べ依然として高水準にある。FRBはコア個人消費支出(PCE)で測定したインフレ率を2%に抑えたい方針。

今回のCPIは、FRBが連邦公開市場委員会(FOMC)の初日の協議に臨む中で発表された。14日に政策金利の発表を控える中、CPIは最後に考慮される主要経済データの一つとなる。

FRBは歴史的な高水準にあるインフレを抑制しようと10回連続でベンチマーク金利を引き上げてきたが、今回は利上げを停止するとの見方が強い。金融引き締めの累積効果や遅行効果、銀行業界で融資基準が厳格化された影響に対応する狙いがある。

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