オランダ諜報機関、ウクライナがパイプライン攻撃を計画とCIAに警告 蘭公共放送
(CNN) オランダ軍の諜報(ちょうほう)機関が昨年、米中央情報局(CIA)に対し、ウクライナが計画したとされる海底パイプライン「ノルドストリーム」の爆破について警告を発していたことが分かった。警告から3カ月後、ロシアと欧州を結ぶこのパイプラインは実際に爆破された。オランダの公共放送NOSが13日、情報源を特定することなく報じた。
今回の報道はNOSとオランダのニュース番組、独メディアのディー・ツァイト、ARDが実施した合同調査に基づく。
米国は昨年、ある欧州の同盟国からの情報により、ウクライナ軍がノルドストリームへの攻撃を計画しているとの内容を把握していた。CNNが先週、米当局者3人からの情報を基に報じた。
昨年9月に起きたパイプラインへの攻撃は、複数の米当局者と西側の同盟国が共に非難。天然ガス輸送の重要なインフラに対する破壊工作だと糾弾した。現在、他の欧州諸国による捜査が行われている。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は13日、CIAが昨年ウクライナに対し、ノルドストリームを攻撃しないよう警告したと報じた。同国による攻撃が行われるとの見方に関して情報を入手した上での措置とみられる。双方のやり取りに詳しい複数の当局者を引用して伝えた。
CIAは当該の情報をオランダ軍の諜報機関から入手したと、これらの当局者はWSJに明かした。
NOSが報道の中で述べたところによれば、同国の軍情報保安局(MIVD)は早い段階からウクライナが立てたとされるパイプライン爆破の計画について、詳細な情報を集めることが可能だったという。MIVDからNOSへのコメントは出ていないと、同局は伝えた。
CNNからの問い合わせに対し、CIAと在米オランダ大使館は共にコメントを控えた。
CNNはMIVDとウクライナ政府にも連絡を取ったが、返答はなかった。
ノルドストリームは、ウクライナでの戦争が始まる以前から物議を醸す施設だった。背景には欧州諸国によるロシア産ガスの依存に対する懸念がある。
ウクライナは当時、パイプライン破壊に絡むいかなる責任も否定。ポドリャク大統領府長官顧問は、ウクライナが破壊を計画したとの見方を「面白い陰謀論」と一笑に付していた。