外国人が次々に退避、スーダン国民の窮状は深まる
(CNN) 国軍(SAF)と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の激しい衝突が続くスーダンで、主要国が次々に大使館員などを退避させている。一方、スーダン国民の多くは悪化する状況の中、身動きが取れず窮状に陥っている。
英国は23日に外交官を出国させることができたと発表。オランダ、ベルギー、ノルウェー、ドイツなどの欧州各国も大使館員などの退避を急いでいる。
米当局者は、米軍特殊部隊が出動して米大使館員のほか、他国の外交官少数を含む約100人を22日にスーダンから出国させたことを明らかにした。米国務省は、スーダン国内にいる米国人に対し、アラブ首長国連邦(UAE)とトルコが23日に組織した退避車列に合流できると勧告したことを確認した。この情報は領事館ルートで米国民に伝えられたという。
エジプトは、首都ハルツーム以外の地域に住む国民に退避の準備を指示する一方、ハルツーム在住の国民には待機を指示した。
エジプト外務省によると、在スーダン・エジプト大使館の職員1人が退避作戦の途中で銃撃されて負傷した。
スーダンから出国しようとしたフランスの車列は銃撃を受け、フランス人1人が負傷。SAFとRSFは互いを非難している。
スウェーデン議会は最大400人の兵士を派遣してスウェーデン人と外国人をスーダンから退避させる計画を承認した。スペイン外務省は23日、スペイン人36人あまりと、ポルトガル、イタリア、メキシコなどの外国人約70人を同日スーダンから退避させたと発表した。
トルコは23日、退避計画を延期して、指定された集合場所に集まらないよう国民に呼びかけた。集合場所の近くで激しい爆発があったためとしている。
ヨルダン外務省の発表によると、ヨルダン空軍は23日、343人をスーダンから救出した。ヨルダン空軍機4機が同日、ポートスーダン国際空港を出発し、ヨルダンの首都アンマンにある軍の空港に到着。退避者にはヨルダン人のほか、パレスチナ人、イラク人、シリア人、ドイツ人も含まれていたとしている。