スーダン情勢はあまりに不安定、米大使館職員の出国は現時点で不可能 米国務省高官
(CNN) スーダンの首都ハルツームでスーダン軍と準軍事組織「迅速支援部隊(RSF)」の戦闘が続く中、米国務省高官は19日、米大使館職員を同国から脱出させるには、あまりに不安定な情勢だと議会関係者に説明した。
モリー・フィー・アフリカ担当国務次官補は、国務省は可能であれば職員を脱出させたい意向だが、戦闘が続き、空港が閉鎖されて一部が破壊された状況の中、現時点でその選択肢はないと語った。
この日はフィー国務次官補のほか、領事局、外交安全局、管理局がスーダン情勢について上下両院の関係者に説明した。
CNNの取材に応じた関係者によれば、国防総省と連携して大使館職員を出国させる方法を検討する取り組みが続けられているとの説明があったという。
別の米当局者はCNNに対し、国務省が米軍の拠点のあるジブチの国防当局者と連絡を取り、避難に向けた最善の選択肢について判断すると語った。
国務省は、戦闘が続く中で避難している職員全員を1カ所に集めたい意向だが、まだそれができていない。
フィー国務次官補は、イスラム教の祝日イードには停戦の可能性が見込まれ、この間に職員を出国させられるかもしれないとの見方を示したという。
別の当局者は、避難作戦遂行の条件が整う停戦を期待すると述べた。
在ハルツームの米大使館は18日、現地の米国人に改めて避難場所の確保を呼びかけ、「ハルツームの不安定な治安情勢と空港閉鎖のため、米政府の手配による避難の計画はない」とした。
当局者は19日、スーダン国内にいる米国人の数を約1万6000人と推定。ほとんどは二重国籍者で、戦闘が始まって以来、約500人から大使館に連絡があったが、助けを求めたのは50人程度だったとしている。