スーダン国軍と準軍事組織が衝突、死者25人
(CNN) スーダン各地で15日、国軍と準軍事組織「迅速支援部隊(RSF)」の衝突が相次ぎ、同国の医師会によると少なくとも25人が死亡、183人が負傷した。
RSFのトップ、ダガロ氏は英スカイニュースのアラビア語版に、首都ハルツームにある政府機関の9割以上を占拠したと語った。
一方、軍トップのブルハン氏はこれを否定し、政府機関は引き続き軍が掌握していると主張した。
ダガロ氏は同日、中東カタールの衛星放送局アルジャジーラとのインタビューで、ブルハン氏が戦闘をあおって民間人3人が死亡、数十人が負傷したと主張し、同氏を「犯罪者」と呼んで非難した。
ハルツーム市内では大統領府や軍の本部などで衝突が報告されている。市中心部の病院関係者は同日午後、直近の数時間に民間人と軍要員の負傷者数十人が搬送されたと語った。
ダガロ氏は2000年代初頭、ダルフール紛争での人権侵害に関与した民兵組織、ジャンジャウィードの指導者として頭角を現した人物。ジャンジャウィードを母体としたRSFは19年、民主化デモの武力弾圧で少なくとも118人を殺害した前歴がある。
21年のクーデターではブルハン氏がダガロ氏とともに実権を握ったが、民政移管の一環としてRSFを国軍に統合する交渉をめぐり、双方が対立している。
国軍は声明でRSFを反逆者と非難し、組織の解散を要求。ダガロ氏を「逃亡中の犯罪者」と呼び、指名手配のポスターを出した。
軍司令部は声明で、空軍の戦闘機がRSFの徹底捜索作戦を実施すると予告し、民間人は家から出ないよう呼びかけた。
国連のグテーレス事務総長はRSFと国軍の指導者に、戦闘の即時停止を求めた。