トランプ氏に判事は箝口令命じず、暴力や「社会不安」の扇動避けるよう求める
(CNN) 米ニューヨーク州マンハッタン地区刑事裁判所のフアン・マーチャン判事は、4日午後のトランプ前大統領の罪状認否の間、いずれの当事者にも箝口(かんこう)令を発しなかった。またそうするよう求められることもなかった。
法廷でのやりとりを記録した文書によると、マーチャン判事は審理中、箝口令といった形で抑制をかけることは合衆国憲法で保障されている表現の自由の観点から極めて深刻な問題であり、大統領選の候補者であるトランプ氏にとっては一段と重い意味を持つとの見解を示したという。
判事が箝口令を発する可能性は、トランプ氏の支持者らの間で4日の初出廷を迎えるに当たっての1つの論点になっていた。そこでは司法制度がトランプ氏にとって不利に働くのではないかとの見方が示唆されていた。
しかしマーチャン氏は双方の当事者に向け、それぞれの顧客や証人に対し自らの言動に注意することを求めるよう強く促したものの、これはあくまでも「要請」であって「命令」ではないと強調した。
「暴力を引き起こす可能性のある発言や行動は、どうか控えてもらいたい。社会不安を作り出す、もしくは誰かの安全と福祉を脅かす恐れのある言動は慎んでもらいたい」と、マーチャン判事は述べた。