スマホやコンピューター、米政権の相互関税から除外 ハイテク大手は「安堵のため息」
(CNN) 米税関・国境警備局(CBP)は11日遅く、米国に輸入される電子機器はトランプ大統領の相互関税から除外されると通達した。
スマートフォンやコンピュータのモニター、各種電子部品などの製品が除外の対象となる。通知によれば、除外措置は4月5日以降に米国に輸入された製品や、倉庫から搬出された製品に適用されるという。
トランプ政権は9日、米国に輸入される中国製品に対して最低145%の関税を課すと表明していた。合成麻薬「フェンタニル」の取引への中国の関与を理由に中国製品に適用されている20%の関税は除外措置の対象にならない。今回の関税免除は、iPhone(アイフォーン)その他の製品を中国で製造するアップルのような大手ハイテク企業に大きな影響を及ぼしそうだ。
ウェドブッシュ証券の推計によれば、アップルによるiPhoneの生産や組み立ての約9割は中国が拠点になっているという。
ウェドブッシュのアナリストは12日、関税除外措置を「ハイテク投資家にとってこれ以上ない朗報」と評した。
ウェドブッシュは声明で、「アップルやエヌビディア、マイクロソフトのような大手ハイテク企業は週末から月曜日にかけ、深い安堵(あんど)のため息をつくだろう」と説明。「今回の免除措置は米国のテック業界にとって大きな前進であり、この週末のニュースとしては考え得る限り最も好材料になった」などと述べている。
エヌビディアとマイクロソフトはCNNに対するコメントを控えた。現時点でアップルからのコメントは得られていない。
世界のスマートフォン出荷台数を調査するカウンターポイント・リサーチの試算によると、アップルは米国内に最長6週間分の在庫を保有している。この在庫が底をつけば、価格は上昇するとみられていた。
ホワイトハウスは12日、トランプ氏は引き続きハイテク企業に生産拠点の米国移転を促していく方針だと明らかにした。
トランプ氏は11日、大統領専用機エアフォースワンの機内で記者団に対し、広範な関税措置の一部に例外を設ける可能性があると説明。「明らかな理由からいくつかの例外はあり得るが、10%が最低ラインだ」と語っていた。
経済学者はこれまで、関税コストは最終的に消費者に転嫁される可能性があると警告してきた。こうした懸念から米国では、消費者心理が記録的に落ち込む中、多くの人が車や電子機器といった高額商品の購入を急ぐ状況になっている。