国連、アフガン女性の勤務禁止受けて全職員の出勤を停止 「苦渋の選択」
(CNN) アフガニスタンを統治するイスラム主義勢力タリバンの暫定政権が先週、国内の国連機関でのアフガン人女性の勤務を禁止したことを受け、国連はやむなく現地採用の男女職員全員の出勤を停止したことを明らかにした。
国連は11日の声明で、ごく限られた重大任務を除き、事務所には出勤しないよう全員に指示したと発表した。
タリバンは昨年末、アフガン人女性が国内外のNGOに勤務することを禁止。複数の主要な国際支援団体がアフガンでの活動を停止していた。新たな通達では禁止対象が国連にも広がった。国連はこれを受けて、苦渋の選択を迫られたと述べた。
首都カブールの国連事務所の男性職員らは先週、同僚女性らとの連帯を図るためとして自主的に出勤を取りやめていた。
国連は、タリバンが女性の社会参加を厳しく制限するための差別的な措置を拡大していると断じ、今後さらに禁止対象の範囲などを検討したうえで対応すると述べた。
国連のアラクバロフ・アフガン担当特別副代表は先週、タリバンの決定を「比類のない人権侵害」と非難。「アフガン女性の命がかかっている」「女性の力なしで女性への支援はできない」と訴えた。
国連アフガン支援団(UNAMA)トップのオトゥンバエワ事務総長特別代表も、女性が女性であるという理由で勤務を禁止した政権は国連史上前例がないと指摘し、タリバンの決定は国連の基本原則と国際法に反する女性への攻撃だと主張した。