戦闘続くスーダン、病院に砲撃 死者100人近くに
(CNN) 国軍と準軍事組織の戦闘が続くスーダンで16日、準軍事組織が首都ハルツーム中心部にある病院を包囲し、砲撃したことが分かった。目撃者5人がCNNに証言した。今回の戦闘による死者は週末の時点で100人近くに上っている。
対立する国軍トップのブルハン氏と準軍事組織「迅速支援部隊(RSF)」トップのダガロ氏は互いに、相手側の扇動で戦闘が発生したと非難。ブルハン氏は、ダガロ氏が「クーデター未遂と国家に対する反逆」を企てたと非難している。
目撃者らは、現場のアル・モアレム病院で何が起きたのかはほぼ疑いの余地がないと話す。激しい砲撃を受けた病院では職員が避難を強いられ、一部の患者が置き去りにされた。
RSFに包囲された病院から避難した医療関係者の一人は16日、「彼らが故意に病院を狙ったのは間違いない」と語った。
この病院はスーダン軍本部の近くにあり、医療関係者によると、負傷兵やその家族を多数治療しているという。病院職員によると、産科病棟は砲撃で壁が崩壊した。
病院では6歳の男の子が亡くなり、子ども2人が重傷を負った。砲撃が激しさを増す中、医療従事者と患者は廊下で身を寄せ合って祈りをささげた。
RSFが病院を掌握したかどうかは不明。RSFはハルツームの戦闘で焦点となっている付近の軍本部の制圧を試みている。
前出の医療関係者は「避難は混乱を極めた」「吐くかと思った。私はつまずいて地面に転倒した」と振り返った。
別の医療関係者は「保育器の中の子どもや集中治療室の患者を置き去りにしてきた。付き添っている医療従事者は誰もいない」と語り、「至る所に死臭が漂っていた」と話した。