トランプ政権の怪しい「相互」関税、実はこんな単純計算だった

トランプ米政権が「相互」関税の算出に使用したとされる計算方法が明らかになった/STR/AFP/Getty Images via CNN Newsource

トランプ米政権が「相互」関税の算出に使用したとされる計算方法が明らかになった/STR/AFP/Getty Images via CNN Newsource

(CNN) 米国のドナルド・トランプ大統領が2日大々的に発表した関税は、相手国が米国に課す付加価値税などの非関税障壁まで考慮して、米国の関税を同等の水準にまで引き上げる「相互」関税と銘打っていた。

だが、トランプ政権が使った計算方法は、実は相互関税の計算とは程遠かった。

各国の関税をドル単位で比較して同等の水準とすることは極めて難しい。それぞれの国の関税措置を詳しく調べ、製品ごとに異なる複雑な関税率を一つひとつ一致させる必要がある。

ところがトランプ政権の計算方法は極めて単純だった。相手国との貿易赤字額を米国への輸出額で割り、その数字を2で割る。以上。

この計算方法はジャーナリストのジェームズ・スロウィッキ氏がXへの投稿で指摘し、ウォール街のアナリストも確認。トランプ政権もその後、この計算方法を使ったことを認めた。

例えば2024年の米国の対中貿易赤字額は2954億ドル(約43兆円)、中国からの輸入額は4399億ドルだった。つまり、中国の対米貿易黒字は輸出額の67%。トランプ政権はこの値に「米国に課された関税」のレッテルを張った。

今回の関税措置についてジョーンズ・トレーディングのマイク・オルーク氏は2日、「相互」関税と位置付けてはいるが、実のところは貿易黒字を狙い撃ちにした政策だったとの見方を示し、「関税率の計算に関税は使われていないようだ。トランプ政権は特に、米国に対する貿易黒字が大きい国をターゲットにしている」と指摘した。

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