混乱続くスーダン、死者270人に 停戦合意も崩壊か
(CNN) 銃声や爆発音、上空を飛ぶ戦闘機の音が18日、スーダンの首都ハルツームの各所で鳴り響いた。報道によると、銃で武装した人員が国連と他の国際機関の職員らの住む住居を襲撃したという。こうした中、停戦の合意に関する報道は錯綜(さくそう)している。
スーダン軍と準軍事組織「迅速支援部隊(RSF)」によるハルツームでの戦闘は4日目に突入。陸軍司令部と大統領府の近くに加え、市の西と北に位置するRSFの基地2カ所の付近でも戦闘が繰り広げられている。
停戦に向けた取り組みは同日遅くに崩壊した。目撃者によると、双方による衝突がハルツーム中心部で再発。双方の合意した24時間の停戦が現地時間の午後6時に発効してからわずか数時間後のことだった。
世界保健機関(WHO)がスーダン政府からの引用で明らかにしたところによれば、今回の騒乱でこれまで少なくとも270人が死亡。2600人以上が負傷した。
CNNが確認した国連の内部文書によると、武装した人員が国連スタッフや他の国際機関の職員が暮らすハルツーム中心部の住居を急襲した。文書はこれらの人員が女性に性的暴行を加え、車などの所持品を盗んだと報告。制服を着用した人員らはRSFの所属だとしている。
RSFはこうした報告を否定。声明でCNNに対し「国連のスタッフや職員を襲うことは絶対にない。RSFは国際法の順守に大変留意している」と述べた。
その上で、戦闘の責任はスーダン軍にあると主張。軍の要員にRSFの制服を着せて国連関係者など民間人への犯罪を行い、RSFのイメージの低下を図っていると指摘した。
スーダン軍は国際法に対する違反行為への関与を否定する一方、以前に出されたある声明に言及。その内容はRSFの部隊が犯したとされる人道への罪に関するものだった。