訪中のイエレン氏、気候変動対策の国際基金への支援呼び掛け
北京/香港(CNN) イエレン米財務長官は北京訪問2日目となる8日、発展途上国の気候変動対策を支援する国際基金に協力し、気候変動がもたらす「生存の脅威」と闘うよう中国に呼び掛けた。
米中間には様々な問題で相違点があるとしつつも、両国が協力してグローバルな課題に取り組むべきだと訴えた。
イエレン氏は当局者や気候の専門家を前に、「温室効果ガスの二大排出国、そして再生エネルギーの二大投資国として、我々には取り組みを主導する共同の責任と能力がある」と演説。「気候変動はグローバルな課題の筆頭に位置する。米国と中国は力を合わせてこの生存の脅威に対処する必要がある」と説いた。
イエレン氏の北京訪問は、同市が観測史上有数の厳しい熱波に襲われるタイミングと重なった。
北京では6日、気温が再び40度を突破。1951年以降、北京の気温が40度を超えた日数は11日あるが、そのうち5日はここ2週間のうちに観測された。
イエレン氏は今回、中国が米国などのパートナーと共に「緑の気候基金」や「気候投資基金(GCF)」のような既存の気候対策機関を支持すれば、そうした機関の影響力は向上すると訴えた。
GCFは国連の主要な気候資金メカニズムで、途上国の気候変動対策を支援している。
イエレン氏と一緒に北京でのイベントに参加したバーンズ駐中国大使は、ケリー気候変動問題担当大統領特使の訪問を楽しみにしていると述べたものの、訪中の具体的な日程は示さなかった。
ケリー氏の訪問が実現すれば、イエレン氏や先月訪中したブリンケン国務長官に続き、バイデン政権で3人目となる。