タクシー運転手の自警団 「違法」なウーバーを摘発、市民からは反発も 香港
タクシー運転手たちは世間の支持を集めるどころか、反発の的となった。乗客はSNSで、タクシー運転手の態度の悪さや乗車拒否、大雨や台風の際の便乗値上げなど、不快な体験を共有した。
違法行為をするタクシー運転手を警察に通報して報復した人たちもいる。立ち入り禁止区域に駐車するタクシーの写真とともに通報を呼びかける投稿がインターネットにあふれた。ある運転手は、ウーバーの運転手が立ち上げたメッセージアプリ「ワッツアップ」のグループでも報復の仕方が話し合われていると語った。
状況は非常に緊迫している。香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は先ごろ、記者から騒動について尋ねられると、「世間の激しい議論」を認め、冷静になるよう訴えた。一方で、タクシー運転手には自警行為を行わないよう求めた。
ウーバーを好む人たちは、これまで長い間我慢してきた劣悪なサービスに代わるものとしてウーバーを捉えている。乗車体験が改善されるなら料金が少し高くなることもいとわない。
香港交通当局の幹部は、一部の粗暴なタクシー運転手に対する苦情を認め、警察が追及することを支持すると述べた。
同幹部は「こうしたタクシー運転手は厳罰を受けるべきだ。だが、適切な免許なしで運転する(ウーバー)車両の問題が軽減されるわけではない」と語った。
香港警察によると、これまでのところ、タクシー運転手によるおとり捜査で捕まったウーバー運転手が逮捕された例はないという。