タクシー運転手の自警団 「違法」なウーバーを摘発、市民からは反発も 香港
香港(CNN) その人物は普通の乗客と同じように配車アプリ「Uber(ウーバー)」で予約し、車の後部座席に乗り込む。ただ、道のりも半ばを過ぎると、雰囲気が変わり身分を明かす。
乗客は運転手に「車を止めなさい。あなたに言っている。ウーバーを運転していると問題になる」と告げる。これは香港で最近撮影され、オンラインで拡散された動画の一こまだ。
乗客は交通警官ではない。香港当局が配車サービスを規制していないことに不満を募らせ、直接行動を起こしている自警団のタクシー運転手だ。
車が止まった後、乗客は警察を呼び、運転手を引き渡す。
おとり捜査をするタクシー運転手のひとりは「これを挑発的だと言う人もいるかもしれない。しかしこうした動画がなければ、人々は私たちが『白ナンバーの車』の台数を誇張していると思うかもしれない」と語った。
「白ナンバーの車」はタクシー運転手がウーバーを指す言葉だ。「私たちはただ政府に法律を執行してもらいたいだけだ」
ウーバーは2014年、香港に進出。厳密にいえば依然として違法だが、テクノロジーが進んでいることを訴求したい当局のあいまいなアプローチの下で繁栄してきた。
タクシー運転手は長年、ウーバーが現地の法律を無視し、市場をひっくり返し、ただでさえ少ない自分たちの収入を削り取っていると不満を訴えてきた。
しかし、最近の自警行為は裏目に出ているようだ。