中国首相、「保護主義への抵抗」呼びかけ 北京のフォーラムに外国企業トップが集結
香港/北京(CNN) 外国企業のトップを集めた「中国発展フォーラム」がこのほど中国の首都北京で開かれた。李強(リーチアン)首相は冒頭の演説で「保護主義に抵抗を」と呼びかけ、グローバル化支持を訴えた。
同フォーラムにはアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)、フェデックスのラジ・スブラマニアムCEO、ファイザーのアルバート・ブーラCEOなど世界大手のトップが出席した。
今回のフォーラムは、米国のトランプ大統領が中国に対する貿易圧力を強める中で開かれた。李首相は23日の開幕演説で、「サプライチェーン(供給網)の断絶は危機を深めるのみ」と断じ、さまざまな分野で外国からの投資向けに市場開放を拡大すると表明した。
その上で、「もしも世界が弱肉強食に立ち戻れば、歴史は後退し、人類にとって悲劇となる」と指摘。「我々には予想外の衝撃に対する備えがある。それは当然ながら、主に外部から来る。必要があれば、中国経済の円滑な運営を徹底させるため、中国政府は新たな政策を導入する」とした。
李首相はトランプ氏に近いデインズ米上院議員とも面会。米紙ウォールストリート・ジャーナルによれば、同議員はこの面会を、トランプ氏と習近平(シーチンピン)国家主席の首脳会談に向けた「第一歩」と位置付けた。
フォーラムにはクアルコムやボーイングなどのトップも出席した。李首相は演説の中で、米中は「共通の利益と幅広い協力空間」を共有していると強調し、「ウィンウィンの協力関係」を呼びかけている。
フォーラムに出席した外国企業のトップらは、米中の貿易関係や世界貿易に与えかねない衝撃をめぐって論議を交わした。
インター・イケア・グループのジョン・アブラハムソン・リングCEOは、「我々は開かれたルールに基づく貿易が機能することを固く信じている」とCNNに語った。