ファストフードで肥満大国になったクウェート、減量手術も急増
ファストフードを定期的に食べて育った子どもたちの世代には、さらに深刻な影響が出るだろうと女性は危惧する。8年前に肥満を克服したという男性も「ファストフードが体に良くないことを知らないまま育つ子どももいる」と危機感を募らせる。
マクドナルドは1994年にクウェートに1号店を開店、今では65店を展開する。同店広報は「(マクドナルドは)外食市場の1つにすぎず、消費者のために幅広い選択肢を提供している」と強調する。
肥満問題の悪化には、同国の気候も絡んでいる。日中の気温は50度を超すこともあるため、運動量は少なくなりがちで、自動車文化が浸透している。
さらに、人の集まりでは伝統的に食べることが重視され、遠慮は歓迎されない。「客があまり食べなければ、おいしくないという意思表示になり、招いた側のもてなし方が良くないとみなされる」(37歳男性)という。
こうした中で、マラソンに参加したりジムに通うといった新しい文化も一部に定着してきた。さらなる手段として、胃をホチキスでとめて小さくする手術の人気も急上昇。昨年は減量手術に携わる医師らが集まって、同国初の専門家会議が開かれた。