隕石から44億年前の火星の鉱物、生命の痕跡に期待
この年代についてはエイジー教授のチームも独自の調査で確認したとしている。
エイジー教授らはブラックビューティーに古代の火星の化石が含まれていないかどうかについても調べている。今のところ発見には至っていないが、原始的な生命の痕跡を示す化学副産物が見つかる可能性はあるという。
フマユーン教授によると、44億年前の火星は火山活動が活発で、この活動で水や二酸化炭素や窒素が放出され、表面に厚い大気や海が形成されていた可能性もある。「もし火星に生物圏が存在していたとすれば、この時期に発生していたはずだ」と同教授。
ただしその後の火星は小惑星などが降り注いで無数のクレーターができ、大気や海は消滅した。現在の火星の環境で生命が存在することは不可能だが、ブラックビューティーはかつて火星に存在していたかもしれない生命の痕跡を秘めているかもしれない。
ブラックビューティーはアフリカ北部サハラ砂漠の遊牧民が2011年に発見し、これを買い取った米インディアナ州の収集家からエイジー教授が譲り受けた。