隕石から44億年前の火星の鉱物、生命の痕跡に期待
(CNN) アフリカ北部で発見された隕石(いんせき)から、44億年前の火星の鉱物が見つかったとして、米フロリダ州立大学の研究チームが英科学誌ネイチャーに研究結果を発表した。古代の火星に存在していたかもしれない生命の痕跡が見つかる可能性もあるとして、さらに詳しく調べている。
鉱物が見つかったのは、アフリカ北部で収集された「ブラックビューティー」と呼ばれる隕石で、ジルコン結晶という鉱物粒子が含まれていた。今回の発見は、火星の地殻が火星誕生から1億年以内に形成されたことを示唆するという。
さらに、これまでに見つかった火星からの隕石に比べて、10~30倍もの水分が含まれていることも分かった。
これについて米ニューメキシコ大学のカール・エイジー教授は、当時の火星に水の豊富な環境があったことを示すものだと指摘、「(もし過去の火星に生命が存在していた痕跡を探すとすれば)、まず調べるべきはこの隕石だ」と話している。
エイジー教授は2月号の科学誌サイエンスでブラックビューティーの分析結果を発表していた研究者。この時は21億年前の隕石と報告していたが、今回、フロリダ州立大のムニル・フマユーン教授のチームが詳しく調べた結果、44億年前の物質が含まれていることが分かった。