がんで死亡する女性、2030年までに60%増の予想
世界で2012年に死亡した女性のうち、がんで死亡した女性は心血管系疾患に次いで2番目に多かった。特に乳がん、結腸直腸がん、肺がん、子宮頸がんによる死者が多数を占めている。
世界的には乳がんの症例数が最も多いものの、中国と北朝鮮では肺がんが乳がんを上回った。その理由について報告書を執筆したサリー・コウェル氏は、「中国では男性の約50%、女性の2%が喫煙する」「このため多くの女性が受動喫煙にさらされる。言うまでもなく環境汚染の影響もある」と解説する。
一方、アフリカの多くの国では子宮頸がんの症例数が最も多い。HIVに感染していると子宮頸がんにかかる確率が5倍になるとコウェル氏は話し、「アフリカ南部や東部ではHIVの感染率が高いため、子宮頸がんの罹患(りかん)率も高い」と説明した。
女性のがんによる経済損失は、2009年に世界で2860億ドル(約29兆円)と推定された。これは主に働く世代の早世に起因している。