がんで死亡する女性、2030年までに60%増の予想
(CNN) 米がん協会は2日に発表した報告書で、世界でがんのために死亡する女性は2012年の350万人から、2030年までにはほぼ60%増の550万人に達するとの見通しを明らかにした。
報告書はパリで開かれた世界がん学会議で発表された。特に低~中所得の国ではがんによる死者が急増すると予想。そうした国では寿命が伸びる一方で、喫煙や不健康な食生活といったリスクの高い習慣が広まりつつあると指摘している。
2012年の時点でのがんの報告率は、検査が普及していることもあって高所得の国の方が高い。がんの症例数が多い国はデンマークを筆頭に米国、韓国、オランダ、ベルギーの順だった。
米国ではがんの発生率と死亡率が1991年以来20%低下した。これは主に喫煙対策や治療が進んだことに起因する。
一方、医療態勢が整っていないジンバブエ、マラウイ、ケニア、モンゴル、パプアニューギニアといった貧困国ではがんによる死亡率が高かった。
早期発見が治療の鍵となる乳がんの場合、国による差が鮮明だった。乳がん患者の5年生存率は、カナダ、オーストラリア、イスラエル、ブラジル、北欧や西欧といった所得の高い国では85%を超えている。
一方、南アフリカ、モンゴル、アルジェリア、インドなど低~中所得の国では60%以下だった。