世界の滅亡に備える億万長者たち 防護シェルターの内部も超豪華
(CNN) 「世界滅亡の日に備えた掩ぺい壕」と言えば、大半の人は簡易ベッドや缶詰で埋まったコンクリートの部屋を想像するだろう。
世界消滅の恐れは冷戦中と変わらず存在しているように感じられるかもしれないが、今日の防護シェルターは20世紀のものとはまるで異なる。
現在需要が拡大しているのは、疫病の世界的な大流行(パンデミック)や小惑星の衝突、第3次世界大戦の勃発などあらゆるリスクから防御すると同時に、豪華サービスも提供する施設だ。世界の多くの企業がこうした需要に対応している。
世界中で高級シェルターの建設や管理を手がける米ビボス社の最高経営責任者(CEO)、ロバート・ビシーノ氏は「祖父や曽祖父の時代の掩ぺい壕はあまり居心地が良くなかった」と指摘。「灰色で、船か軍事施設のように金属製だった。実際には、人類はこうした簡素で殺風景な環境の中では長期的に生存していくことができない」と話す。
滅亡の日に備えた需要
世界のエリートの多くは家族や従業員を収容するため、専用の秘密シェルターを設計する選択肢を取ってきた。
米テキサスに本拠を置くライジング・S・カンパニーの責任者、ゲイリー・リンチ氏によれば、特別仕様の高級地下壕の2016年売り上げは前年比で700%増。全体の売り上げは16年11月の米大統領選以降の期間だけで300%増えたという。
同社の鉄製掩ぺい壕は住民1人につき最低でも1年分の食料を保管できると同時に、地震に耐えることもできる。
ただ、一部の人がひとりで避難したいと考える一方で、もう少し現実世界に近い環境で世界の終末を乗り切りたいという人も中にはいる。