南極の巨大氷棚、分離まであと5キロ 船舶に危険の恐れも

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2016年11月に撮影した「ラーセンC氷棚」の亀裂=NASA

2016年11月に撮影した「ラーセンC氷棚」の亀裂=NASA

(CNN) 南極大陸の沿岸にある巨大な氷棚の亀裂が拡大し、分離まであと5キロに迫った。大陸から分離すれば、世界最大級の氷山になる可能性もあり、船舶に危険が及ぶ事態も予想される。

分離目前の「ラーセンC氷棚」の大きさは約6000平方キロ。英ロンドンの面積の4倍、米ニューヨーク市の7倍に相当する。

欧州宇宙機関(ESA)によると、6月初めの時点で大陸とつながる部分は13キロ残っていたが、この1カ月あまりでわずか5キロにまで縮小した。

ラーセンC氷棚は、南極大陸沿岸のラーセン氷棚の一画にあり、ESAが南極とグリーンランドの氷棚観測プロジェクト「CryoSat」を通じて観測を続けてきた。

大陸から離れて漂流すれば、船舶に危険を及ぼす恐れもある。英リーズ大学のアナ・ホッグ氏は、「どうなるかは分からない」「バラバラになるかもしれないし、直後に分解するかもしれない。たとえ分解したとしても、潮流に乗って北へ流され、フォークランド諸島にまで到達する可能性もある。そうなればドレーク海峡を通過する船舶に危険が及ぶかもしれない」と危惧する。

ラーセン氷棚からは、過去30年の間に「ラーセンA」と「ラーセンB」も分離した。米航空宇宙局(NASA)によると、温暖化が特に急速に進む南極でラーセンC氷棚が分離すれば、これまで同氷棚に遮られていた深部の氷が温暖化にさらされて溶けたり崩壊したりしやすくなり、悪循環に拍車がかかる恐れもある。

分離がいつ起きるかについては、ESAのレーダーによる観測で予測できる見通し。ESAのシステムでは、分離後の地球上の氷の量も計算できる。

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