市長がワニの花嫁と結婚式、先住民の平和の象徴 メキシコ
(CNN) メキシコ南部オアハカ州サン・ペドロ・ウアメルラ市で、市長がこのほどワニの花嫁と結婚式を挙げ、大勢の観光客らに祝福された。
この行事は数百年前から伝わる先住民の伝統に基づき、市の守護聖人をまつるフェスティバルの一環として、先の週末に行われた。
ワニの花嫁は白いドレスをまとって花の冠を載せた姿で、にぎやかな音楽に合わせて市内をパレード。音楽と踊りは挙式後も続き、新郎の市長と新婦のワニもダンスを披露した。
市長とワニの結婚式は、同地の2つの先住民族、チョンタレスとウアベス(別名マレニョス)の結び付きの象徴として行われている。
EFE通信によると、スペインの植民地となる以前、太平洋沿岸部に住んでいたチョンタレス族と、同地に到来したウアベス族の間では争いが絶えなかった。しかしチョンタレス族の王の息子と、ウアベス族の王の娘が恋に落ち、やがて結婚したことで、両民族の争いが収まったいう伝説が伝わっている。
現代の行事ではサン・ペドロ・ウアメルラ市の市長がチョンタレスの王子役、ワニの花嫁がウアベスの姫の役を担っている。