中国が無人探査機打ち上げ、月の裏側を調査へ
北京(CNN) 中国は8日、四川省の西昌衛星発射センターから、無人の月探査機「嫦娥(じょうが)4号」を打ち上げた。世界各国が宇宙開発競争に挑むなか、中国は世界初となる月の裏側への着陸を目指す。
中国航天科技集団によれば、同探査機は26日後の1月上旬に月に着陸する見通し。
同探査機は、低周波無線を使った実験や、無重力の環境で植物が育つかどうかの観察、北極と南極で水やそのほかの資源が存在するかの調査、太陽風と月面の間の相互作用の研究などを実施する。
中国国家航天局の幹部は、「月の裏側は地球からの電磁波妨害から守られているため、宇宙環境や太陽バーストの研究には理想的な場所だ」と指摘する。
月の裏側には電波が届かないため、信号を中継する通信衛星が必要だが、今年打ち上げられた衛星がその役割を担う。
探査機は全長1.5メートルで、幅と高さは約1メートル。折りたたみ可能なソーラーパネルを2枚装備しており、6つの車輪で移動する。
米海軍大学の教授で、中国の宇宙開発プログラムの専門家であるジョアン・ジョンソンフリーズ氏は、中国が宇宙開発プログラムでの業績を記録に残したがっていると指摘。今回の月探査も成功する公算が大きく、有人宇宙飛行計画も進めていることから、「2つのプログラムは最終的にひとつになり、中国人による月への有人飛行計画となるだろう。月から次に送信されてくる声が中国語である可能性は高い」と述べた。
中国はこれ以前にも無人探査車「玉兎(ぎょくと)号」を月面に送り込んでいた。「嫦娥3号」によって月に送られた玉兎号は2016年に972日間の任務を終えていた。嫦娥3号の着陸成功により、中国は米国とロシアに続き月面探査を行った3番目の国となっていた。