99歳女性、5000万人に1人の「内臓逆位症」 献体で初めて判明
しかしベントレーさんは例外的に生まれながらの心疾患をもたず、長寿を全うした。そうした理由からウォーカー准教授は、5000万人に1人の極めてまれな事例と位置付ける。
ベントレーさんは1918年に生まれ、夫との間に5人の子どもが生まれた。子どもたちによると、慢性的な胸焼けを訴えていた以外、内臓逆位症をうかがわせる症状は見られなかった。「母はいつもとても健康だった。私たちをキャンプファイアーや釣りや泳ぎに連れて行ってくれたし、本人も水泳が得意だった」と子どもたちは振り返る。
虫垂を摘出する手術をした際は、あるはずの場所に虫垂がなかったと言われたが、胆嚢(たんのう)や子宮を摘出した際には何も言われなかったという。
もし5000万人に1人の症例だったと聞かされたら、「母はきっと面白がったと思う」と子どもたちは話している。