シベリア永久凍土で凍結、4万6000年前の線虫の蘇生に成功
線虫を解凍した後、研究チームはサンプルに含まれる植物性物質の放射性炭素分析を行い、4万7769~4万5839年前から解凍されていなかったことを確認した。
ただ、それでもこの線虫が既知の種かどうかは分からなかった。最終的にはドレスデンとケルンの研究者が行った遺伝子解析により、新種に属することが判明。研究者は新種を「パナグロライムス・コリマエニス」と命名した。
研究者は今回の新種が休眠状態を生き抜くために、これまで科学研究で多用されてきた線虫のC.エレガンスと同じ「分子のツールキット」を利用していることも突き止めた。どちらの種もトレハロースと呼ばれる糖質を作っていて、これにより凍結や乾燥への耐性を得ている可能性がある。
研究グループのリーダーは、同じ生物化学の経路が大昔の種でも使われていることがわかるのは非常に印象的だと発言。「進化の中でいくつかのプロセスは深く維持されていることを意味する」と述べた。
また、こうした種を研究することは保全生物学に知見を与え、他の種の保護などにも役立つとも語った。