6世紀中国を統治した北周武帝、DNAから相貌を復元 死因にも光

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DNA解析から明らかになった、6世紀の北周を統治した武帝の顔の再現図/Pianpian Wei

DNA解析から明らかになった、6世紀の北周を統治した武帝の顔の再現図/Pianpian Wei

(CNN) 6世紀中国を統治した武帝の遺骨からDNAを回収して解析した結果、その相貌(そうぼう)を復元した想像図が作成された。

武帝は560年から80年まで北周王朝の一員として中国を統治した。混乱を極めた当時の中国の北部を統一した人物とされている。

考古学者らは1996年、中国北西部で武帝の墓を発見した。科学誌カレント・バイオロジーに28日発表された論文によると、研究者チームは武帝のほぼ完全な頭がい骨などから採取された遺伝子物質を分析。相貌や健康状態、祖先に関する情報を収集した。

武帝は今日のモンゴルや中国北部、北東部に当たる地域に住んでいた遊牧民「鮮卑」の出身。DNAから解析されたゲノム配列を分析した結果、茶色の目に黒髪、暗めの皮膚という相貌だったことが示唆された。

論文の共著者を務めた上海・復旦大学の准教授は「一部の研究者の間では、鮮卑は濃いひげや高い鼻、黄色の髪など『異国風』の見た目だったとの説がある」と説明。「我々の分析からは、武帝は東アジアあるいは北東アジアに特徴的な顔つきをしていたことがうかがえる」と指摘する。

論文の著者らは、DNAから武帝の死因に光が当たる可能性にも期待を寄せている。今回の研究によると、武帝は36歳で亡くなった。歴史史料に記された死因としては、病気や毒殺などがある。

研究チームは死因に関して確定的な証拠を見つけられなかったが、遺伝的に脳卒中を起こしやすかったことが判明。まぶたの垂れ下がりや失明、ぎこちない足取りなど、歴史家の指摘する武帝の症状に関してこれで説明が付く可能性がある。

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