惑星大気に虹色の「光輪現象」、太陽系外で初めて観測
(CNN) 天文学者のチームがこのほど、惑星の大気に虹色の光輪が発生しているとみられる現象を発見した。太陽系外でこうした現象が観測されるのは初めて。太陽系外の異世界に関する新たな洞察をもたらす可能性がある。
欧州宇宙機関(ESA)のケオプス宇宙望遠鏡からの観測で、系外惑星WASP76bに「光輪現象」が発見された。WASP76bは地球から637光年離れた超高温の系外惑星。
地球上でしばしばみられるこの現象は、同心円状の色鮮やかな光の輪で構成され、光が均一な物質でできた雲に散乱されることで発生する。
地球以外ではこれまで金星でしか観測されていなかったが、ケオプスなどが今回、WASP76bの大気に光輪が発生していることを示唆する極めて微弱な信号を捉えた。
研究者らは今月5日、学術誌「アストロノミー・アンド・アストロフィジックス」に詳しい観測結果を報告した。
論文の筆頭著者を務めたポルトガルの天体物理学宇宙科学研究所の天文学者、オリビエ・デマンジョン氏は声明で、「太陽系外でこれまで光輪が観測されなかったのには理由がある。非常に特異な条件が必要だからだ」と説明。「まず、ほぼ完璧に球形に近く、完全に均一で、長時間観測できるほど安定した大気の粒子が必要となる。付近の恒星が惑星を直接照らし、観測者(ここではケオプス)がちょうど良い方向にいる必要もある」と指摘した。