運転手が意識喪失、とっさにハンドル握った中学生に賞賛 米ウィスコンシン州
(CNN) 米ウィスコンシン州グランデールで、スクールバスを走らせながら意識を失った運転手に代わり、中学2年の男子生徒がハンドルを握って同級生たちを救う出来事があった。
4月下旬、グレンヒルズ中学校に通うエイシー・ホランドさんはいつものように帰りのスクールバスに乗車した。運転手の女性は普段通りに生徒たちと冗談を交わし、バスを発車させた。
ところがバスの中央付近の座席に座っていたホランドさんは、運転手が具合が悪そうな様子で頭を垂れていることに気付いた。運転手がアクセルを踏み続け、いつも曲がる角を曲がらなかったことから異変を察知。運転席へ様子を見に行ったところ、運転手は意識を失っていた。
バスは対向車線にはみ出しそうになっていた。ホランドさんはとっさに運転手の足をアクセルから外してブレーキを踏み、バスを安全に停止させた。
「それほど怖いとは思わなかった、ただバスを止めようとしていただけ」。ホランドさんはCNNの取材にそう振り返った。
バスを止めると救急車を呼び、看護助手をしている祖母にも電話した。バスに乗っていた13~15人の生徒たちには家族に連絡するよう促した。
「みんなに感謝された。僕が命を救ったから」と話すホランドさんの将来の夢は、理髪店か修理店を営むことだという。
運転手は間もなく意識を取り戻してバス会社に電話をかけ、会社から派遣された別の運転手が生徒たちを無事に帰宅させた。
学校によれば、運転手は急病を患って治療を受けているという。
ホランドさんは市長と市議会から表彰され、グランデール警察とミルウォーキー消防局もホランドさんの行動を賞賛した。
ホランドさんは幼い頃から自動車整備士の父親の手伝いをしていて、車に関して多少の経験があった。今回の経験を通じてさらに自信が強まったと話している。