米ボーイング、宇宙船「スターライナー」の有人飛行試験を直前に延期
(CNN) 米航空宇宙大手ボーイングは1日、宇宙船「スターライナー」による初の有人飛行試験を打ち上げ直前に延期した。
スターライナーは米航空宇宙局(NASA)のウィルモア飛行士とウィリアムズ飛行士を乗せ、米フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から1日午後0時25分(日本時間2日午前1時25分)に、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)の「アトラスV」ロケットで打ち上げられる予定だった。
コンピューターシステムの自動停止機能により、発射予定時刻の3分50秒前にカウントダウンが止まった。飛行士は無事に脱出した。
NASAは同日深夜、次に打ち上げ可能となるのは5日午前10時52分だが、その時刻に実施するかどうかは未定だと述べた。さらに6日にも打ち上げ可能な時間帯があるという。
ULAのブルーノ社長兼最高経営責任者(CEO)は、いったんロケットから燃料を抜き取った後、発射台のコンピューターシステムのどの部分に問題が生じたのかを調査すると述べた。発射の指令を出す3系統のうち、1系統の立ち上がりが何らかの理由で遅れたためにストップがかかったとみられる。
スターライナーは、NASAが国際宇宙ステーション(ISS)への人員輸送を民間に委託する計画の一環として、ボーイングが開発を進めてきた。
最終段階となる有人飛行試験では、軌道に到達した後、アトラスVを切り離し、24時間かけてISSへ向かう。両飛行士はISSに8日間滞在し、同じスターライナーで米南西部に帰還する予定。当初打ち上げを予定していた先月6日には、アトラスVのエンジンバルブに問題が見つかったとして、2時間前に打ち上げ延期が発表された。