「綿菓子のように軽い」惑星発見 木星の1.5倍の大きさ、重さはわずか14%
(CNN) 学術誌「ネイチャー・アストロノミー」に14日に発表された研究によると、天文学者らは「WASP―193b」と名付けられた珍しい惑星を新たに発見した。この惑星は木星の約1.5倍の大きさにもかかわらず、これまでに発見された惑星の中で2番目に軽い。
地球から約1200光年離れた太陽系の外に位置するWASP―193bは、科学的に奇妙というだけにとどまらない。この太陽系外惑星は非定型的な惑星形成を研究するうえで重要な意味を持つ可能性もあるという。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者はニュースリリースの中で、「この惑星は非常に軽いため、類似の固体物質を考えるのは難しい」と述べた。「この惑星が綿菓子に近いのは、どちらも固体ではなく軽い気体でできているからだ。この惑星は基本的にものすごくふわふわしている」
研究者らはWASP―193bは、そのほとんどが水素とヘリウムからできていると考えているが、この惑星の密度が大きさの割に非常に低いため質量の計算は困難を極めた。
研究者によると、WASP―193bは質量の信号が非常に小さかったため、データを収集し質量を計算するのに4年を要した。発見された極端に低い数値は非常にまれなものだったため、研究者らは念のためデータ解析を何度も試行した。
最終的に研究チームは、この惑星が木星よりはるかに大きいにもかかわらず、質量は木星のわずか14%であることを発見した。
もう一人の研究者は、WASP―193bはこのような膨れた惑星の形成について特に有益な手がかりを提供してくれると語る。
「惑星の大気が大きければ大きいほど、より多くの光を通すことができる。そのため、この惑星は大気の影響を研究するうえで最適な対象の一つであることは明らかだ。膨れた木星型惑星の謎を解き明かすためのロゼッタ・ストーンになるだろう」
WASP―193bはどのように形成されたのかさえ明らかではないという。巨大ガス惑星の「古典的進化モデル」ではこの惑星の現象を説明できないのだ。
「WASP―193bはこれまでに発見された惑星の中で異常値だ」