加工赤肉の摂取で認知症リスクが14%上昇、ナッツ・豆類の摂取で20%低下 新研究
(CNN) 新たな予備的研究によると、加工赤肉を1日に約28グラム(1週間で85グラムを2食弱)食べる人は、月に約3食食べる人に比べて認知症リスクが14%上昇した。一方で、加工赤肉を毎日少量食べる代わりにナッツや豆類を食べる人は、認知症リスクが20%低下した。この研究要旨は2024年アルツハイマー病協会国際会議で31日に発表された。
ベーコン、ソーセージ、ホットドッグなどの加工赤肉は一般的にナトリウム、硝酸塩、飽和脂肪が多く含まれている。研究によると、これらの肉を多く摂取することと、大腸がんなどのがん、2型糖尿病、心臓病、脳卒中の発症は強く関連している。
この研究には関与していない予防・生活習慣医学の専門家であるデビッド・カッツ氏によると、この研究は観察研究であり、関連性を示すことはできるが、必ずしも因果関係を示すことはできない。
一方でカッツ氏は「アルツハイマー病や認知機能低下の主なリスク要因は、心血管疾患のリスク要因でもあり、心血管疾患は加工肉の摂取と強く関連している。そのため関連性は因果関係である可能性が非常に高い」と述べた。
加工赤肉を1食追加するごとにリスクが上昇
研究者らは30年以上にわたり2~4年ごとに13万人以上の男女の食事データを収集した。
参加者には、加工赤肉(ベーコン2枚、ホットドッグ1個、小さいソーセージまたはサラミ2本、ボロニアソーセージまたはその他の加工肉サンドイッチ)と、ナッツと豆類(ピーナッツバター大さじ1杯、ピーナッツやクルミなどのナッツ28グラム、豆乳グラス1杯など)をどのくらいの頻度で食べるかを尋ねた。
ナッツと豆類は抗炎症食品であるため、毒素、硝酸塩、ナトリウムなど体に良くない加工肉の摂取を減らすだけでなく、これらの食品を摂取することには多くのメリットがあるという。
この研究で、加工赤肉を週に約2食分摂取すると認知能力が14%低下するのに加え、1食増えるごとにリスクが上昇することが判明した。
1日1食分増えるごとに、全般的な認知機能の加齢が1.61年、言語記憶能力の加齢が1.69年進行するという。
ハーバード公衆衛生大学院の在学時にこの研究を主導した筆頭著者は、「全般的な認知機能は、認知機能の幅広い全体像を提供する。食事や生活習慣の要因が認知機能に及ぼす全体的な影響を把握するのに役立つ可能性がある」「言語記憶能力とは言葉で伝えられた情報の記憶力を指す。これはアルツハイマー病の重要な予測因子だ」と説明した。