重量挙げ優勝のカザフスタン選手は「中国出身」 新華社が報道
(CNN) ロンドン五輪の重量挙げ女子53キロ級で金メダルを獲得したズルフィヤ・チンシャンロ選手(19)は中国で生まれ育ち、5年前にカザフスタンへ移ったと、中国国営新華社通信が伝えている。五輪の公式サイトでは、チンシャンロ選手はカザフスタンの大都市アルマトイ出身と紹介されている。
新華社通信によると、チンシャンロ選手は湖南省永州に生まれ、ツァオ・チャンリンという中国名で育った。湖南省のスポーツ当局者によれば、07年3月にトレーニング交流で同省を訪れたカザフスタンの重量挙げチームにスカウトされ、08年に同国へ移った。同時に現在の名前を名乗るようになったという。
同通信によれば、チンシャンロ選手は流暢(りゅうちょう)な中国語を話すが、中国を離れた時期や家族の居場所などについての質問には答えようとしなかった。将来中国へ戻るのかという問いには、しばらく考えた末に「分からない」と返した。しかし中国の食べ物が懐かしいかと聞かれると、「お餅が懐かしい」と答えたという。
国際オリンピック委員会(IOC)の規定では、選手が国籍を変更して五輪に出場する場合は、元の国の代表として参加した大会から3年以上経過していることを求めている。
中国からはこれまでも卓球選手らが他国から五輪に出場した例がある。92年のバルセロナ五輪で中国代表として銀メダルを獲得したガオ・ジュン選手は、その後米国に帰化し、米国代表として五輪3大会に出場した。