ドーピング問題のロシア、パラリンピックは全面的に出場禁止
(CNN) ロシアによる国家ぐるみのドーピングが発覚した問題で、国際パラリンピック委員会(IPC)は7日、来月のリオデジャネイロ・パラリンピックからロシア選手団を全面的に除外すると発表した。
IPCのクレイバン会長は記者会見で、ロシア政府が自国のパラリンピック選手たちを「破滅的なまでに裏切った」と非難。「モラルよりメダルを重視する考え方に嫌悪感を覚える」と述べた。
一方、ロシアのムトコ・スポーツ相は国営タス通信を通し、この判断を不服としてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴える方針を表明。「パラリンピック選手たちのために戦う」と宣言した。
クレイバン氏とともに会見に臨んだパラリンピック選手協議会のニコルソン会長は、「ロシア選手たちの失望は察するに余りある」と語る一方、全ての選手が公平に競える場を確保するための判断だと強調した。
世界反ドーピング機関(WADA)も7日、「クリーンな選手のため、クリーンな競技を求める運動のためだ」として、判断への支持を表明した。
ロシアからはパラリンピックの18競技に計267人が出場する予定だった。IPCはこの枠を各国へどう分配するかについて、各競技の国際連盟と話し合いを始める構えだ。
ロシアのドーピング問題は、WADAの独立調査チームが先月出した報告書で明るみに出た。オリンピックではロシア選手団389人のうち118人が除外されている。