彭帥さん問題への対応は「静かな外交」、IOCが自らを弁護
(CNN) 中国の著名テニス選手、彭帥(ポンショワイ)さんが公の場から姿を消したことについて、この問題への姿勢について批判を浴びている国際オリンピック委員会(IOC)は、自らの対応を「静かな外交」と評して弁護した。
IOC委員で2022年北京冬季五輪の調整委員会の委員長であるフアン・アントニオ・サマランチ・ジュニア氏は7日、オンライン形式で行われた記者会見で、「誰もが彭帥さんの幸福に焦点を当てるべきだし、この件を他のいかなる目的のためにも利用しようとすべきではない」と発言。
サマランチ・ジュニア氏は「静かな外交を否定してはならない。これは非常に強力な手段であり、我々はこれにこだわっていくつもりだ」と述べた。
身の安全について懸念の声が上がっている彭さんは、削除された11月2日付のSNSへの投稿で、張高麗(チャンカオリー)前副首相から3年前に、同氏宅で性行為を強要されたと訴えた。その直後から徹底的な検閲が敷かれ、彭さんは2週間以上にわたって公の場から姿を消していた。
これを受けて、女子プロテニス協会(WTA)は香港を含む中国でのWTAの全トーナメントを停止すると発表していた。
これとは異なったアプローチを取るIOCの広報担当者マーク・アダムズ氏は7日、報道陣に対して、IOCは彭さんと2度のビデオ会談を行い、中国国内で直接対面することで同意したと明らかにした。また、IOCは「少なくとも彼女と連絡を取り続け、彼女がいる場所で接触しようとする試みに関するしっかりとした計画表がある」と述べた。
ただ、彭さんはなぜテニス界の人々や友人の誰とも言葉を交わしていないのかと報道陣に問われると、アダムズ氏は「私には分からない」と答えた。