国際テニス連盟、彭帥問題で中国での大会停止せず 「10億人罰したくない」
(CNN) 国際テニス連盟(ITF)は7日までに、中国のテニス選手、彭帥(ポンショワイ)さんが同国元高官による性的暴行を訴えた問題に絡んで、中国国内でのトーナメントを停止する考えはないことを明らかにした。世界規模の統括団体として「10億人を罰するのは望まない」からだとしている。
女子テニス協会(WTA)は、中国政府が彭さんの告発を封じ込めようとしたのを受け、香港を含む中国でのWTAの全トーナメントを即時停止すると発表した。四大大会(グランドスラム)ほか主要なトーナメントの運営、公認を行うITFにも、同様の措置に踏み切るよう求める声が上がっていた。
彭さんは今は削除された11月2日付のSNSへの投稿で、張高麗(チャンカオリー)前副首相から同氏宅で性行為を強要されたと訴えた。その直後から徹底的な検閲が敷かれ、彭さんは2週間以上にわたって公の場から姿を消していた。
ITFのデービッド・ハガティ会長は4日、英BBCとのインタビューで、「団体としてすべての女性の権利を擁護する立場にある」と明言。「引き続き水面下で活動し、直ちに問題を解決へと導く」考えを示した。
一方で、ITFは世界規模の統括団体であり、草の根レベルでのテニスの発展にも責任を負っていると指摘。「10億人を罰するのは望まない。従って中国でのジュニア並びにシニアの大会は当面運営を継続する」と付け加えた。
ITFは先週、短い声明を出し、「我々の第一の関心事は依然として彭帥選手の身の安全だ」と述べていた。また同選手の告発は「しっかりと取り上げられなくてはならない」ともしていた。
CNNはITFにさらなるコメントを求めている。