五輪出場の豪女子ラグビー元選手、男性への移行を語る
(CNN) 女子7人制ラグビー(セブンズ)の豪州代表として五輪にも出場したエリア・グリーン元選手(29)が、引退後に男性への性別移行を果たした経験を語った。
ゲイのラグビー・ワールドカップとして知られ、カナダの首都オタワで開催されている「ビンガム杯」に合わせた会議の場で発言した。
五輪出場選手が女性から男性に移行したケースは初めてとされる。グリーンさんは大会事務局が投稿した動画の中で「ラグビーのキャリアが終わったら、残りの人生は本当の自分として、自分が持つべき体で生きていこうと心に誓っていた」と語った。
性別移行を公表することの難しさにも言及し、テレビやSNSには性的少数者へのいじめや差別があふれていると指摘した。
国際統括団体のワールドラグビーは昨年、トランスジェンダーの選手が女子の国際試合に出場することを禁止した。グリーンさんはこれについて、「トランスジェンダーの人々をスポーツから締め出すのは屈辱的でひどいことだと思う」と語り、性的少数者の若者が自殺したり、心を病んだりするケースがさらに増えると懸念を示した。
グリーンさんは南太平洋のフィジーで生まれ、英国人女性とポーランド人男性のカップルの養子になった。一家はグリーンさんが幼い間フィジーで暮らし、父親が体調を崩したことをきっかけに豪州へ移住した。
2013年から豪州代表チームに入り、16年のリオデジャネイロ五輪で金メダル、18年のコモンウェルスゲームズ(英連邦競技大会)で銀メダルの獲得に貢献した。
現在、パートナーとの間に生後6カ月の子どもがいる。