豪州農場に昨年帰還の宇宙船破片か、1年超軌道に残った後落下の可能性
ニューヨーク(CNN Business) オーストラリアの山間部の農地で宇宙ごみとみられる残骸が発見され、米航空宇宙局(NASA)とオーストラリア宇宙局は、昨年5月に帰還した米スペースXのドラゴン宇宙船から投棄された装備品だった可能性が大きいと発表した。
スペースXにコメントを求めたが返答はなかった。同社は普段からメディアの取材に応じていない。
現地メディアの報道によると、オーストラリアの最南端に近い山間部で、少なくとも3片の残骸が回収された。オーストラリア宇宙局はこれついて「スペースXミッションの残骸だったことを確認し、米国側と連絡を取るとともに、必要に応じて他の連邦機関や地元当局と連携する」と発表した。
NASAの発表によると、スペースXもこの残骸がドラゴン宇宙船のトランクの一部と思われることを確認した。トランクは軌道上にある本体に電気などの必要なサービスを供給しているが、本体が大気圏に突入して地球に帰還する際に投棄される。
民間宇宙船の運航を監督する米連邦航空局(FAA)によれば、トランク部分は一般的に、大気圏突入の際に海上の上空で燃え尽きることから、公衆の安全に対するリスクは最低限に抑えられる。しかし今回は1年以上も軌道に残り続け、トランクの一部が燃え尽きずに地上に到達したと思われる。
NASAによると、今回オーストラリアで見つかったトランクは、昨年5月に野口聡一さんら宇宙飛行士4人を乗せて国際宇宙ステーション(ISS)から帰還したドラゴン宇宙船「クルー1」の一部だった可能性が大きい。
クルー1の本体は無事に帰還して、米フロリダ州沖の海上に着水していた。