制御不能になった中国巨大ロケットの残骸、インド洋上空で大気圏突入
(CNN) 米宇宙軍のツイートによると、制御不能になった中国の巨大ロケットの残骸が米東部標準時の7月30日午後0時45分ごろ、インド洋上空の大気圏に突入した。
重量23トンの大型ロケット「長征5号B」は7月24日に海南島から打ち上げられ、中国の宇宙ステーションにモジュールをドッキングさせることに成功した。ロケットはその後、制御不能になった状態で地球に向かっていた。中国が宇宙ゴミを適切に処理しなかったとして非難されるのは今回が3度目だった。
米航空宇宙局(NASA)のビル・ネルソン長官は30日、中国が地球に落下するロケットの「具体的な軌道情報を共有しなかった」とする声明をツイッターに投稿した。
中国の有人宇宙当局は、ロケットの残骸が北京時間の31日午前0時55分ごろ、大気圏に突入したと発表した。残骸のほとんどは、ボルネオ島とフィリピンの間にあるスールー海上空の大気圏で燃え尽きたとしている。
米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジョナサン・マクダウェル氏は「我々が本当に知りたいのは、地面に落下した残骸があるかどうかだ」と述べ、それが分かるまでにはしばらく時間がかかるかもしれないと指摘した。
ネット上には、マレーシアのサラワク州クチン上空の夜空で撮影された複数の明るい物体の写真や動画が投稿された。CNNに動画を提供した地元住民は、現地時間(北京と同時刻)の31日午前0時50分ごろに撮影したと話している。
マレーシアの国家宇宙局は31日に発表した声明で、長征5号Bロケットの「燃える残骸」が観測されたことを確認。「ロケットの残骸は地球の大気圏に突入して炎上し、燃える残骸はマレーシア領空を横断して、サラワク州周辺の領空を含む複数地域で観測された」としている。